ITストラテジスト試験(ST)

Information Technology Strategist Examination

  • IT ストラテジスト試験の対象範囲
    • IT ストラテジスト試験は,経営上の各種課題について情報技術を活用して解決するための基本戦略を立案する基本戦略系人材を対象とし,現行のシステムアナリスト試験及び上級アドミニストレータ試験の内容を包含した試験とする。*1
  • IT ストラテジスト試験(レベル4)
    • 現行のシステムアナリスト試験に経営寄りの事業戦略策定,IT戦略実行管理・評価の分野を追加する。現行の上級システムアドミニストレータ試験の範囲を包含する。また選択問題として,組込みシステムに関する企画・開発計画策定・推進の分野を追加し,全体として出題範囲を拡大する。
    • 試験問題のレベルについては,現行のシステムアナリスト試験ではITSSのレベル5相当を想定して出題していたが,ITストラテジスト試験では試験問題で取り上げる題材の複雑性や規模を小さくするなど相対的な難易度を若干下げることで,レベル4相当の試験とする。
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対象者像

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者

役割と業務

情報技術を活用した事業革新、業務改革、革新的製品・サービス開発を企画・推進又は支援する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

  1. 業種ごとの事業特性を踏まえて、経営戦略の実現に向けた情報技術を活用した事業戦略を策定し、実施結果を評価する。
  2. 業種ごとの事業特性を踏まえて、事業戦略の実現に向けた情報システム戦略と全体システム化計画を策定し、実施結果を評価する。
  3. 情報システム戦略の実現に向けて、個別システム化構想・計画を策定し、実施結果を評価する。
  4. 情報システム戦略の実現に向けて、事業ごとの前提や制約を考慮して、複数の個別案件からなる改革プログラムの実行を管理する。
  5. 組込みシステムの開発戦略を策定するとともに、開発・製造・保守などにわたるライフサイクルを統括する。

期待する技術水準

事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などの部門において、情報技術を活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するため、次の知識・実践能力が要求される。

  1. 事業環境分析、情報技術動向分析、ビジネスモデル策定への助言を行い、事業戦略を策定又は支援できる。また、事業戦略の達成度を評価し、経営者にフィードバックできる。
  2. 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、情報システム戦略や全体システム化計画を策定できる。また、情報システム戦略や全体システム化計画を評価できる。
  3. 対象となる事業・業務環境の調査・分析を行い、全体システム化計画に基づいて個別システム化構想・計画を策定し、適切な個別システムを調達できる。また、システム化構想・計画の実施結果を評価できる。
  4. 情報システム戦略や改革プログラム実施の前提条件を理解し、情報システム戦略実現のモニタリングとコントロールができる。また、情報システム戦略実現上のリスクについて、原因分析、対策策定、対策の実施などができる。
  5. 新たな組込みシステムの開発に関し、関連技術動向、社会的制約・要請、知的財産などの分析結果に基づき、競争力のある組込みシステムを企画するとともに、付加価値、拡張性、柔軟性などを踏まえ、その展開戦略や開発戦略を策定・推進できる。

試験時間・出題形式・出題数(解答数)

午前午前午後午後
試験時間9:30〜10:20
(50分)
10:50〜11:30
(40分)
12:30〜14:00
(90分)
14:30〜16:30
(120分)
出題形式多肢選択式
(四肢択一)
多肢選択式
(四肢択一)
記述式論述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
出題数:25問
解答数:25問
出題数:4問
解答数:2問
出題数:3問
解答数:1問

出題範囲

出題範囲(午前)

分野大分類中分類午前I(共通)午前II(専門)
テクノロジ系1基礎理論1基礎理論○3
2アルゴリズムとプログラミング
2コンピュータシステム3コンピュータ構成要素
4システム構成要素
5ソフトウェア
6ハードウェア
3技術要素7ヒューマンインタフェース
8マルチメディア
9データベース
10ネットワーク
11セキュリティ
4開発技術12システム開発技術
13ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系5プロジェクトマネジメント14プロジェクトマネジメント
6サービスマネジメント15サービスマネジメント
16システム監査
ストラテジ系7システム戦略17システム戦略◎4
18システム企画◎4
8経営戦略19経営戦略マネジメント◎4
20技術戦略マネジメント○3
21ビジネスインダストリ◎4
9企業と法務22企業活動◎4
23法務○3

17 システム戦略:◎4

  1. 情報システム戦略
    • 情報システム戦略の意義と目的,全体最適化方針,全体最適化計画,情報化推進体制,情報化投資計画,ビジネスモデル,業務モデル,情報システムモデル,エンタープライズアーキテクチャ(EA),プログラムマネジメント など
  2. 業務プロセス
    • BPR,業務分析,業務改善,業務設計,ビジネスプロセスマネジメント(BPM),BPO,SFA など
  3. ソリューションビジネス
    • 業務システム提案,業務パッケージ,問題解決支援,ASP,SOA,SaaS など

18 システム企画:◎4

  1. システム化計画
    • システム化構想、システム化基本方針、全体開発スケジュール、開発プロジェクト体制、要員教育計画、開発投資対効果、システムライフサイクル、情報システム導入リスク分析など
  2. 要件定義
    • 要求分析、ユーザニーズ調査、現状分析、課題定義、業務要件定義、機能要件定義、非機能要件定義、利害関係者要件の確認、システム戦略との整合性検証など
  3. 調達計画・実施
    • 調達の対象、調達の要求事項、調達の条件、提案依頼書(RFP)、提案評価基準、見積書、提案書、調達選定、調達リスク分析、内外作基準、ソフトウェア資産管理、ソフトウェアのサプライチェーンマネジメントなど

19 経営戦略マネジメント◎4

  1. 経営戦略手法
    • 競争戦略,差別化戦略,コアコンピタンス,M&A,アライアンス,グループ経営,企業理念,SWOT 分析,プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM),バリューチェーン分析,成長マトリクス,アウトソーシング など
  2. マーケティング
    • マーケティング理論,マーケティング手法,マーケティング分析,ライフタイムバリュー(LTV)など
  3. ビジネス戦略と目標・評価
    • ビジネス戦略立案,ビジネス環境分析,ニーズ・ウォンツ分析, 競合分析, 戦略目標, CSF(Critical Success Factors), KPI(Key Performance Indicator), KGI(Key Goal Indicator),バランススコアカード など
  4. 経営管理システム
    • CRM,SCM,ERP,意思決定支援,ナレッジマネジメント など

20 技術戦略マネジメント○3

  1. 技術開発戦略の立案
    • 製品動向,技術動向,コア技術,技術研究,技術獲得,技術供与,技術提携,技術経営(MOT),産学官連携,標準化戦略 など
  2. 技術開発計画
    • 技術開発投資計画,技術開発拠点計画,人材計画,技術ロードマップ,製品応用ロードマップ,特許取得ロードマップ など

21 ビジネスインダストリ◎4

  1. ビジネスシステム
    • 流通情報システム,物流情報システム,公共情報システム,医療情報システム,金融情報システム,電子政府,POSシステム,XBRL など
  2. エンジニアリングシステム
    • エンジニアリングシステムの意義と目的,生産管理システム,MRP,PDM,CAE など
  3. e-ビジネス
    • EC(BtoB,BtoC などの電子商取引),電子決済システム,EDI,IC カード・RFID 応用システム など
  4. 民生機器
    • AV機器,家電機器,個人用情報機器,教育・娯楽機器,コンピュータ周辺/OA 機器,業務用端末機器,民生用通信端末機器 など
  5. 産業機器
    • 通信設備機器,運輸機器/建設機器,工業制御/FA機器/産業機器,設備機器,医療機器,分析機器・計測機器 など

22 企業活動◎4

  1. 経営・組織論
    • 経営管理,PDCA,経営組織(事業部制,カンパニ制,CIO,CEO ほか),コーポレートガバナンス,CSR,IR,ヒューマンリソース(OJT,目標管理,ケーススタディ,裁量労働制ほか),行動科学(リーダシップ,コミュニケーション,ネゴシエーション,モチベーションほか),TQM,リスクマネジメント,BCP など
  2. OR・IE
    • 線形計画法(LP),在庫問題,PERT/CPM,ゲーム理論,分析手法(作業分析,PTS 法,ワークサンプリング法ほか),検査手法(OC 曲線,サンプリング,シミュレーションほか),品質管理手法(QC七つ道具,新QC七つ道具ほか) など
  3. 会計・財務
    • 財務会計,管理会計,会計基準,財務諸表,連結会計,減価償却,損益分岐点,財務指標,原価,リースとレンタル,資金計画と資金管理,資産管理 など

23 法務:○3

  1. 知的財産権
    • 著作権法、産業財産権法、不正競争防止法、ライセンス契約、OSSライセンス(GPLやBSDライセンスほか)など
  2. セキュリティ関連法規
    • 不正アクセス禁止法、プロバイダ責任法など
  3. 労働関連・取引関連法規
    • 労働基準法、労働関連法規、外部委託契約、ソフトウェア契約、守秘義務(NDA)、下請法、労働者派遣法、民法、商法など
  4. そのほかの法律・ガイドライン・技術者倫理
    • コンプライアンス、情報公開、電気通信事業法、ネットワーク関連法規、会社法、金融商品取引法、各種税法、輸出関連法規、個人情報保護法、システム管理基準、コンピュータ不正アクセス対策基準、コンピュータウイルス対策基準、ソフトウェア管理ガイドライン、情報倫理、技術者倫理、プロフェッショナリズムなど
  5. 標準化関連
    • JIS、ISO、IEEEなどの関連機構の役割、標準化団体、国際認証の枠組み(認定/認証/試験機関)、各種コード、JIS Q 15001、ISO 9000、ISO 14000など

試験範囲(午後)

ITストラテジスト試験 (午後機У述式,午後供論述式)

  1. 業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定又は支援に関すること
    • 経営戦略に基づく情報技術を活用した事業戦略の策定,情報技術によるビジネスモデルの開発提案,業務改革の企画,新製品・サービスの付加価値向上の提案,システムソリューションの選択,アウトソーシング戦略の策定 など
  2. 業種ごとの事業特性を反映した情報システム戦略と全体システム化計画の策定に関すること
    • 業務モデルの定義,情報システム全体体系の定義,情報システムの開発課題の分析と優先順位付け,情報システム基盤構成方針の策定,システムソリューション適用方針の策 定(ERPパッケージの適用ほか),中長期情報システム化計画の策定,情報システム部門運営方針の策定,IT 全般統制整備方針の策定,情報システム化年度計画の策定 など
  3. 業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定に関すること
    • システム化構想の策定,業務のシステム課題の定義,業務システムの分析,業務モデルの作成,システム化機能の整理とシステム方式の策定,システム選定方針の策定(システムソリューションの適用ほか),全体開発スケジュールの作成,プロジェクト推進体制の策定,システム調達の提案依頼書(RFP)の準備,提案評価と供給者の選択,費用とシステム投資効果の予測 など
  4. 事業ごとの前提や制約を考慮した情報システム戦略の実行管理と評価に関すること
    • 製品・サービス・業務・組織・情報システムの改革プログラム全体の進捗管理,改革実行のリスク管理と対処,システムソリューションの適用推進,改革プログラムの効果・費用・リスクの分析・評価,事業戦略・情報システム戦略・全体システム化計画・個別システム化計画の達成度評価 など
  5. 組込みシステムの企画,開発計画の策定・推進に関すること
    • 通信・情報・アーキテクチャ・ユーザインタフェース・ストレージ・半導体・計測・制御・プラットホームなどの技術動向分析,知的財産・規格・法令などへの考慮点の整理,リスク分析,調達方針の策定,経営戦略との整合性評価,要求の確認と調整 など

新試験制度サンプル問題

午後I

午後II



*1 「新試験制度の手引」より

添付ファイル: filehikaku.PNG 555件 [詳細]

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Last-modified: 2010-02-25 Thu 23:20:45 JST (3686d)